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笑顔の眉が引きつったのを見るや、夕希はいそいそと寮に入ろうとした。
「あ、夕希さん。」
寮長の女性は、何かを思い出したのか夕希に待つように言うと入り口横の部屋に入って行った。
「はい、手紙が来ていたわよ夕希さん。」
戻ってきた寮長は、夕希に一通の色あせた封筒を手渡した。
「あの、これは?」
「いつの間にか郵便受けに入っていたんですよ。送り主が書かれてないし、消印も無いからきっと誰かが直接入れたのね。」
夕希は寮長に礼を言って、手渡された封筒を眺めながら部屋へと向かった。
「特に変った所は無いか・・・。へぇ、蝋封だ・・・初めて見たかも。」
封筒の古さに対して、鮮やかな朱色の蝋封には一本の剣に対の獣が向かい合った押印がされていた。
「これ・・・どこかで・・・。」
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