第一章 ~科学―その問題点―~

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   余談だが心理学の一分野において「前世療法」という治療法がある。 これにより前世の存在が認められて来ている。  この療法は俗にいう催眠術、催眠療法の一種である「退行催眠」を用いたものであり催眠を少しかじった者でも容易に出来る。 深くまで確かめてはいないが私も既に検証済みだ。  心理学に無知な者は「どうせ催眠で操ってありもしない『前世』って記憶を植え付けてるんだろ」と答えるだろう。 だが心理学はそんな単純な学問ではない。 心理学を学ぶと誰もが一度は耳にするほど有名な学者にフロイトという人がいる。 精神分析の父であり「無意識の発見」でも有名だ。  さて、彼のところにクライアントAがやって来た。 Aはコップで水が飲めないという。 フロイトが精神分析療法を試みたところ、Aは昔知人が犬にコップで水をあげていたのを見て不潔に感じたことを思い出した。 それ以来コップで水を飲めないという奇妙な症状も消えた。  もう一例、どうしても足が動かないクライアントBが来た。 足が折れているわけでも神経系に異常があるわけでもないのに歩くことが出来ない。  精神分析療法の結果、彼女は自分の姉の夫である義兄に恋をしていることに気づいた。 義兄であるから結婚はおろか姉の夫である彼に無闇に触れることすらかなわない、だが歩くことが出来ないと彼がだっこしてくれて触れ合えるのが常であった。  このことに気づいた彼女は再び自分の足で歩けるようになった。  人は無意識に眠る記憶や自分の気持ちを意識すると症状が回復することがある。 それからというもの催眠で人の無意識を呼び覚まし症状を治す療法が誕生した。  ところが、この時の記憶に前世を語り回復する人が現れたではないか!  催眠でありもしない記憶を植え付けても「症状が治まる!」と暗示しても回復することはない。 仮に回復しても数日で効果はかき消えてしまうほど暗示の力は持続性がない。  これが前世の存在を支持する私の根拠である。  なお前世療法の詳細についてはブライアン・L・ワイス氏著「前世療法」に詳しいのでそれを参照していただきたい。  
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