九条瑛太

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広いリビング、多分20畳はあると思われる、ガラステーブル、ソファー、100インチはあるデカイ液晶テレビ…他は何もない質素な部屋。 対面キッチンには食器が散乱している。 (クータン…いったいどんな生活をしているんだろう?) 私は思った。 『まあ、座れや』 クータンは私たちにそう言うとキッチンに歩いて行き、冷蔵庫の中からペットボトルを三本取り出し、私たちが座っている目の前のガラステーブルの上にドンと置き、 『飲め』 と一言言った。 『ミネラルウォーター…』 私が呟くと、クータンは 『馬鹿!水が一番体に良いんだぞ』 と私のペットボトルを取り上げ、蓋を開けて手渡してくれた。 (ありがた迷惑とは、この事だ…)と思いながら一口飲んだ。 兄貴は隣で 『相変わらずだなぁ』と喜んで笑っていた。
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