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メロンパンは毎日食べている。 授業中はよく寝ている。 休み時間はケータイをいじっている。 たまに彼女らしき人と電話をしている。 クラス女子とはあまり喋らない。 1週間観察して得た数少ない情報。 あと――席替えをしてあたしの隣。 前の隣の席の人とすら喋れなかったのに、藤崎くんは恐ろしいくらい気さくだった。 彼女がいることも知っていたし、たまに盗み見る横顔はやっぱりメロンパン王子だったのですごく複雑な気持ちだったが、 そのおかげでたくさんの会話を通していろいろなことを知ることができた。 兄弟は弟が1人。年齢は忘れたとかで分からなかったけど仲はまあまあいいらしい。 中学の時は野球部で内野手だったが自称オールラウンダー。 「ピッチャーもやってたんだけど、2年の春に転校してきたヤツがめっちゃうまくてさ、 外野も楽しかったけど結局肩壊してずっと内野手。しかも最後の大会はベンチだったしな」 ちょっぴり困った感じの苦笑いを浮かべる藤崎くんは、とても愛おしいはずだった。 でも違う。何か違う。 この人はメロンパン王子じゃないんじゃないか、 そんな気がしていた。
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