7/12
前へ
/20ページ
次へ
そういえば最近コンビニ言ってなかったな…。 藤崎くんと仲良くなってから学校生活にも慣れることができ、 朝の授業開始まで時間潰しをする必要がなくなったので コンビニにはほとんど行かなかったのだ。 …あ 藤崎くんかな? パンのコーナーにはやっぱりメロンパン王子こと藤崎くん… ……じゃない…? 藤崎くんには似てる気がする。でもどこか雰囲気が異なっていた。 「藤崎くん…?」 「…うん?あっ、えっと…」 あれ?やっぱ藤崎くんだよね。 「メロンパン、ほんと好きなんだね」 「あ、うん。そうだね」 ー?何か違うよ? ま、いっか。テンション低いのかもしんないし。 「じゃ、教室でね」 「うん…あ、小銭ぶちまけるなよ」 「分かってるよっ」 いつもとはちょっと違う気がしたけど、話した以上藤崎くんだ。 やっぱ気のせいかっ。 いつもより遅めの時間に教室に入る。 「石川~遅いよっ」 「え~!?何でもう教室にいんの?!」 「お前がトロいの」 だってさっきコンビニ… 「今日さ、元気ない気がしたんだけど…気のせいだったね」 「へ?何で?」 「いや、違うならいいや」 藤崎くんは頭にはてなマークを抱えていたが、 その後はいつもと同じようにくだらない話で盛り上がった。 なんとなく流れであたしはこう言った。 「藤崎くんって他の女子とはあんま喋んないよね。あたしには気さくで喋りやすいのに」 「何でか知りたい?」 「うんうんっ」 「ちょい耳貸して」 「うん?」 そうして耳元で藤崎くんはささやいた。 “お前が好きだから” 「…は?」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加