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そういえば最近コンビニ言ってなかったな…。
藤崎くんと仲良くなってから学校生活にも慣れることができ、
朝の授業開始まで時間潰しをする必要がなくなったので
コンビニにはほとんど行かなかったのだ。
…あ 藤崎くんかな?
パンのコーナーにはやっぱりメロンパン王子こと藤崎くん…
……じゃない…?
藤崎くんには似てる気がする。でもどこか雰囲気が異なっていた。
「藤崎くん…?」
「…うん?あっ、えっと…」
あれ?やっぱ藤崎くんだよね。
「メロンパン、ほんと好きなんだね」
「あ、うん。そうだね」
ー?何か違うよ?
ま、いっか。テンション低いのかもしんないし。
「じゃ、教室でね」
「うん…あ、小銭ぶちまけるなよ」
「分かってるよっ」
いつもとはちょっと違う気がしたけど、話した以上藤崎くんだ。
やっぱ気のせいかっ。
いつもより遅めの時間に教室に入る。
「石川~遅いよっ」
「え~!?何でもう教室にいんの?!」
「お前がトロいの」
だってさっきコンビニ…
「今日さ、元気ない気がしたんだけど…気のせいだったね」
「へ?何で?」
「いや、違うならいいや」
藤崎くんは頭にはてなマークを抱えていたが、
その後はいつもと同じようにくだらない話で盛り上がった。
なんとなく流れであたしはこう言った。
「藤崎くんって他の女子とはあんま喋んないよね。あたしには気さくで喋りやすいのに」
「何でか知りたい?」
「うんうんっ」
「ちょい耳貸して」
「うん?」
そうして耳元で藤崎くんはささやいた。
“お前が好きだから”
「…は?」
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