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「―――ッ!!」
ハッと眼が覚める。
眼を覚ましたのはまだ幼さの残る顔の"少女"。
ブロンドの長い髪
蒼い眼
白のエプロンドレス
赤いストラップシューズ
少女はまだボーッとする頭を動かし始めた。
起きたばかりで頭が、ボヤッとする。
寝ていた…のだろうか。
それすらも曖昧。
だとしたら、今まで夢を見ていた?
もう殆ど思い出せない夢。
しかし一つ、覚えていた。
夢で、"私"を呼ぶ声…
― ズキンッ ―
「痛っ…!」
一瞬、酷く頭に痛みが走り頭を押さえる。
痛みから逃れるように思考を今の状況へと変える。
意識して辺りを見渡すと、ここは人気のない森だった。
薄暗く、じめじめしていて恐怖が込み上げる。
早く、帰りた…
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