金髪の少年の災害

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アメリカ ロサンゼルス 深夜というには遅すぎる微かに水色かかった空。 そこには不似合いな鈍い金属音が響く。 「嬉しいね」更に不似合いな日本語が場を支配する。 「大統領が自ら御呼出しとは。しかもこんな汚い路地裏に」 [大統領]「ハハハ♪大分Japaneseが上手くなっているじゃないかMr.キリア。まぁそう怒るな。公の場で公表する訳にもいかないしこういう場所でないと何処に盗聴器が仕掛けられているかもわからんからなWW」優しそうな顔立ちをした白人の老人というには若い男が楽しそうに語る。 キリアと呼ばれた少年はこの男に日本語を仕込まれたらしい [大統領]「では本題だが手紙で断片的に伝えたように我が衛星監視部員が先日日本の海域に未発見の生物を発見した」大統領と呼ばれた男が写真を金髪の少年に手渡す。 [キリア]「Angel……天使?」 [大統領]「ああ」 そして、と付け加えて [大統領]「恐らく太陽を破壊した連続超神星爆発にも関係している。更に衛星からの撮影後三機の潜水艦を偵察として向かわせたが逆に補食されてしまった」 [キリア]「ちょっと待てよ。潜水艦を食う生き物なんて…」 [大統領]「だが確かに存在する。しかも潜水艦に搭載されたステルス機能を吸収されてしまったらしい。おかげでもう衛星では追えない」 [キリア]「なっ…くっ……クハハハハハハハハハ!面白れぇ!ジェット機で海域飛び回って俺が倒せばいいんだろう?天使を!」 大統領と呼ばれた男は満足したように微笑み、けれどどこか申し訳なさそうに告げた [大統領]「君の戦闘力は米軍の中でもトップクラスの兵を軽々倒してしまうほどだからな」 頼んだぞ。と付け足し30分後金髪の少年を乗せたジェット機は出発した。 4時間後、 [パイロット]「あ、あれは!」そこには天使が食事をしていた。何百というかずのシュモクザメを引き裂き当たりを赤く染めた天使というに余りに相応しくない姿をした紫色の巨人… [天使?]「$%~|$|~%%%$$$ッ!!!」 言葉に成らないような悲鳴をあげた巨人が背中から六本の翼を生み出した。直径はざっと百メートルはあるであろう翼をまるで天に逆らうように突き出し怒りの咆哮をあげ、ジェット機に突進する。 そして天使と少年が交差した。
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