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粉々になる最新型ジェット機。紫電を帯びた翼は、無表情に海上に君臨していた。どこまでも不敵に、どこまでも素敵に、どこまでも無敵に、ただ羽虫が体に当たっただけだとでも言うように。
キリアはまだ意識を保っていた。落下中にも関わらず腰からショットガンを抜き安全装置をはずし標的に正確に銃口を向ける。これらの作業でニ秒。 紫色の巨人に鉛の弾をニ発ぶち込む。
[天使?]「Gaxaxaxaxaxaxa!!」左右から展開された翼がそれぞれニ本ずつ飛び出し弾丸を潰す………というより吸い込んだ。
[キリア]「これが吸収かッ…!」落下中キリアの背中からパラシュートが開く。パイロットもパラシュートを付けているだろうが、あの巨人の攻撃を直撃したのだ。生死など確認するだけ無駄だろう。
しかしその瞬間再び巨人が翼を広げキリアに襲い掛かる。
[キリア]「………ッ!?」
瞬間、全てを侵食する翼がキリアの後頭部を貫いた。
意識は、そこで途切れた。
この日、金髪の少年は死んだ。
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