プロローグ

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   そうするとテレビの裏側のケーブルコード付近に縦横約三十センチの正方系の箱を見つけた。かなり分厚い本並にある厚みの高さだ。  僕は箱の中身を開けてみた。すると、そこには一丁の拳銃が入っていた。エアーガンか何かの類だろうと思ってマガジンを取って見るが重みがある。弾倉を見ると、そこにはテレビでも見る銃弾とまったく同じの物が詰められていた。拳銃を手にとってその重みを確認する。    ……ああ、間違い無い。これは本物だ。本物の拳銃だ。撃って人に当たれば死んでしまう、本物の拳銃だ!   『……どうやら見つけてくれたようだね』    僕が拳銃を取ったタイミングと時を同じくして、仮面の男が口元に笑みを含ませて言う。   『さて、ではこれから始まるゲームについてのルールを確認しよう』   「ゲーム……?」   『まず率直に言おう。諸君らには――――“殺し合い”をしてもらう』    …………。    ………………。    ……………………は?    いとも簡単に淡々とその言葉を言った仮面の男に対して、僕は大きく目を開ける。声を出そうにも拍子が抜けて、言葉が出せない。  
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