1.始まりと出会い

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後ろから聞こえる不満たっぷりの雄叫びを無視しながら、屋内修練場へと滑り込んだカルトル。校庭もさることながら、修練場内の広さに感嘆の息を洩らす。 ゆっくりと隅へ移動し、他の生徒の邪魔にならぬように修練場内を見渡す。 綺麗に配置されている椅子は均等な間隔を保ち、クラスごとに分けられてある。そして、椅子の上には名札が魔法によって浮かんでいる。 視線を入口に移すと、そこには教員であろう大人たちが受付をしており、生徒たちにクラスを教えているのが映った。 カルトルが足を動かそうとした時、突如背後から聞いたことのある声と言葉遣いが届く。 「お前、こっち。特待生、別。特別席、用意」 勢いよく振り返ったカルトルなど気にする様子もなく歩き始める、つい今朝がたカルトルの自宅へ訪れた男。そんな彼の後を、カルトルは慌てて追う形になった。
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