京都

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「見事な論文だったよ、狩野。おめでとう」 「お前、来るなら来るでなんで言わへんのや。街を案内してやるのに」 関西独特ではあるが、柔らかな京訛りで話す 狩野はかつて大学で松井や篠崎と机を並べた仲だ。 松井は整形を選んで篠崎と共に帝都大病院に入り、狩野は実家に近い京都にある病院の医局に入った。 松井とは都内の近い所に住んでいるせいもあり頻繁に逢うが、同じ循環器を専門としながらも、こうして狩野と顔を合わせるのは実に4年振りだろうか。
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