京都

7/8
前へ
/57ページ
次へ
―― なんや?こいつのこの…艶っていうんか…? 真壁と共に歩み始めて、篠崎は心からの穏やかな笑みを手に入れた。 愛される事がこんなに優しい気持ちを齎す。 相手に求められるという事が、仕事で求められるものとは違った意味合いで存在し、それが篠崎を強くさせる。 「狩野?次の口演が始まるよ」 そろそろ時間になったようで人の流れが変わる。 各会場へ散らばり始めた背中を目で追って、篠崎は動こうとしない同期の男に声を掛けた。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

867人が本棚に入れています
本棚に追加