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ある日。
ボクはいつものように学校が終わって、家に帰っていた。
鼻歌混じりにスキップをする。
そんなありふれた帰宅の光景だ。
しかし、ボクの家は他の子どもたちの家とちょっと違う。
一目で所有者の権力がわかる城。
つり天井に落とし穴、なんでもごされの重大警備。
幾百もの家来。
なによりその城に君臨する存在。
無惨に横たわる勇者の死体。
そう、ボクの家は魔王城なのだ。
―つまり、ボクの父親は誉れ高き……。
ちょうど、そのとき魔王城に着いた。
ボクは勇者に見つからないように裏口から魔王城に入り、父の部屋へ向かった。
途中で勇者用の罠があったが、もちろんボクには作動しない。
そうして、父の部屋に着いたボクは勢い良く部屋を開けた。
「ただいま、父さん!」
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