開国以前の日露関係史

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白人至上主義 ロシアを含め、欧米側の論理をみるにあたっては、この思想は重要なキーワードになってきます。それではどのような思想なのでしょうか? 「三大人種」という言葉があります。 「コーカソイド」(白人) 「モンゴロイド」(黄色人種) 「ネグロイド」(黒人) 白人は他の2種族よりは先天的に優れているという、人種差別な主張です。 近世、欧米が行った植民地政策で、アフリカ(黒人)、アジア(黄色人種)は土地を支配され、人は奴隷化されるか、収奪を余儀なくされました。 それを正当化させるための思想がこの差別主義となります。 当時、欧米列強よりもこの地域が劣っていた事(技術的には)、身体的特徴があきらかに異なるのも、この差別思想を裏付ける動機にもなり、植民地による収入を重視していた各国はこれを推進していきます。 余談ですが、先天的疾患であるダウン症は別名「蒙古症」と呼ばれています。 ようは、目が小さく、鼻が低く、小柄で髪が直毛。 優秀な白人に劣った東洋人(蒙古人)が産まれたという差別から、この名がつけられました。 この思想はダーウィンの「種の起源」から「優性学」に結び付きます。 ナチズムのアーリア主義による民族浄化政策は有名ではありますが、実はアメリカもこの「優性学」推進国であり、満州事変の原因になったという説があります。このあたりは日米関係で取り上げます。 「白人より劣る東洋人」 その東洋人に支配された白人がいます。 それがロシアなのです。 次頁は、そのあたりを触れていきます。
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