第1章 青山・土器山の戦い

3/10
前へ
/10ページ
次へ
数刻が過ぎ、 青年は自室で 戦略をたてん、と 思案していた。 青年 (織田の後ろ楯を 得たとあらば、 数は千や 2千では 無い筈、どうするか・・・) 思案をしている 最中、障子の向こうから 青年を呼ぶ声がした。 『殿、との!』 青年 『ん?誰じゃ!』 青年が障子を開けると、 二人組の者が 頭を下げ、待っていた。 青年 『そちらか、して 首尾の方はどうか?』 青年の問いに、 忍1 『孝高様! 相変わらずで、』 もう一人の忍も 孝高に挨拶をした。 孝高 『で、敵方の 動き掴めたか!?』 体を屈ませ問う。 忍1 『ははッ! 敵方の兵数、およそ 三千余り 播州 龍野城主 赤松下野守政秀 精兵にての侵軍。』 孝高 『三千・・・ やはり思たよりも 兵力差は生じるの、 畿内の動きは?』 孝高は播磨の事次いでに 畿内の事もたずねた。 忍2 『畿内は織田と、 三好が小競り合いを 重ねておりまするが、 優越は公方様を伴い 上洛を成した織田に、』 孝高 『そうか、 あい わかった! 下がって良いぞ、 又、宜しく頼む。』 孝高の言葉に、 忍は、【はッ】と短く 返事をすると、 ササッと下がって行った。 孝高 (織田との友好を 考えてもらわねば、 ならぬ時が来たか・・・) この時、 黒田官兵衛孝高 若冠 二十二の青年武将であった 主家 小寺家より 姫路城代を任され、 二年目の事だった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加