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「What<なに>!?」
私は思わず声を上げた。
人の叫び声がした。しかも、かなり近く――家のすぐ側から?
「…っしょう!…の……んだって…」
今も途切れ途切れの声が聞こえる。女の声だ。それも、少女。
「Japanese・・・・?<日本語……?>」
私は声のする方へ足を向けた。テラスの方だ。
ゆっくりと歩く。大して距離は無いので足音を殺す事だけに集中する。
「どこ……は?…い………飛ばすか?いや待て…」
テラスに近づくにつれて、だんだんとはっきりと聞こえてくる。
窓越しに様子を窺う。町の明かりに照らされた『それ』は――。
「Oh――<な――>」
右手には護身用拳銃。左手をテラスに続くドアのノブに掛ける。
(3・・・2・・・1・・・)
――ドォン!
勢いよくドアを開けた。私は暗闇に踊り出て『それ』に銃を突き付けた。
「Don't move!<動かないで!>」
「あ?」
人影だ。顔はよく見えないが、少女であることは確かだ。ぼんやりと浮かび上がったシルエットは、奇妙な形に歪んでいた。
「Who are you?<あなたは誰?>」
「ん?何言ってんだ?こいつは」
その少女らしき人影は、言葉が通じないらしく首を傾げるような動作をする。
ならば――。
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