2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたは誰なの?ここで何をしてるの?」
言語を日本語に切り替える。すると、やはり反応があった。予想外の反応ではあったが。
「おい、女の子に名前を聞くときには自分から名乗るもんだぜ」
「な……」
こう来るとは思わなかったので一瞬虚を突かれた。
「し、侵入者に名乗る名は無い!貴様はここで何をしている?」
銃を構え直して再び問い掛けるも、その少女は変わった様子無く返してきた。
「侵入者とは失礼だな。私だって来たくて来たんじゃない。ところで、ここはどこだ?夜なのにやけに明るいな?」
全く緊張感の無い声。敵意は無いようだが、油断は出来ない。
「ここから速やかに立ち去りなさい。今すぐ出ていけば危害は加えないわ」
銃の引き金をほんの少し引く。相手からは見えないはずだが、少女の目が私の指を追っていた気がする。
「……嫌だと言ったら?」
少女の言葉の調子が少し変わった。それは、恐れているようではなく……楽しんでいる?
――ザリッ。
少女の足が僅かに動いた。――前に。
「舐めたマネを……!」
私は躊躇う事なく引き金を引いた。
――ダンッ!
最初のコメントを投稿しよう!