ミッションナンバー00 「接触」

6/6
前へ
/9ページ
次へ
「なあ、セム。お前はここに住んでるのか?ちょっと見せてくれよ」  魔理沙はおもむろにそう言うと、家の中に続くドアを開けて入っていく。 「あ、待ちなさい!」  慌てて止めるが魔理沙は意に介した様子無く入っていった。  私は思わず天を仰いでから彼女を追った。 「おい、真っ暗だぜ。明かりくらい点けろよ」  私が部屋に入って開口一番にこれだ。 「勝手に上がり込んで文句付けないでよね」 「暗いのは目に悪いらしいぜ」 「そんなこと、言われなくてもわかってるわよ」  私は壁を手で探って明かりを点ける。すると、一瞬点滅した後に電気が点った。 「なんか薄暗いな。何とかならないのか?」 「一々煩いわね。これでも周りよりは大分明るいのよ」  私はそう言い放ってあらためて彼女を観察した。  彼女は大きなとんがり帽子を被っていた。魔女が被るような黒い帽子に、飾りなのか白いリボンが付いている。  長い金髪は一部三つ編みにして前に垂らし、これまたリボンで留めている。  黒を基調としたエプロンドレスに黒のシューズ。どこまでも黒が好きなようだ。ただ、エプロンのおかげで真っ黒というわけではない。どちらかといえばモノクロ調だ。  それを見て、とりあえず一言。 「あなた、変わった格好してるわね」 「私は普通だぜ」  対する彼女の答えは簡単なものだった。 Mission No.00「接触」  ――Mission Complete.
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加