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「なあ、セム。お前はここに住んでるのか?ちょっと見せてくれよ」
魔理沙はおもむろにそう言うと、家の中に続くドアを開けて入っていく。
「あ、待ちなさい!」
慌てて止めるが魔理沙は意に介した様子無く入っていった。
私は思わず天を仰いでから彼女を追った。
「おい、真っ暗だぜ。明かりくらい点けろよ」
私が部屋に入って開口一番にこれだ。
「勝手に上がり込んで文句付けないでよね」
「暗いのは目に悪いらしいぜ」
「そんなこと、言われなくてもわかってるわよ」
私は壁を手で探って明かりを点ける。すると、一瞬点滅した後に電気が点った。
「なんか薄暗いな。何とかならないのか?」
「一々煩いわね。これでも周りよりは大分明るいのよ」
私はそう言い放ってあらためて彼女を観察した。
彼女は大きなとんがり帽子を被っていた。魔女が被るような黒い帽子に、飾りなのか白いリボンが付いている。
長い金髪は一部三つ編みにして前に垂らし、これまたリボンで留めている。
黒を基調としたエプロンドレスに黒のシューズ。どこまでも黒が好きなようだ。ただ、エプロンのおかげで真っ黒というわけではない。どちらかといえばモノクロ調だ。
それを見て、とりあえず一言。
「あなた、変わった格好してるわね」
「私は普通だぜ」
対する彼女の答えは簡単なものだった。
Mission No.00「接触」
――Mission Complete.
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