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和斗がそう呟くと瞬兄と呼ばれた男の下の空間が固定され、透明な足場となった。
「よっと……上の奴等が動き始めたし、早くずらかるか」
瞬は社長を担ぎながら言い、その後、小さな声で呟く。
「重力補正-30%」
次の瞬間、瞬は宙に固定された足場から跳ぶ。尋常ではありえないほどの高さまで飛び上がった瞬は先に空間固定で作ってあった足場を使い、和斗の元へ向かった。
「さすが瞬兄! 依頼完了だね!」
自分の元に到着した瞬に向け、和斗が笑いかける。
「おう、早く店に戻ろうぜ!」
「待てっ……! 貴様らは一体、何者だ!」
後ろから聞こえた声に瞬と和斗が振り向くと蛇のリーダー格がヘリに乗り、瞬の後ろから追ってきていた。
「俺らか? 俺らは」
そう言いながら、瞬はヘリに向けて、手をかざす。そして、
「天下無敵のなんでも屋……LUCKY=JOKERだ!」
と大声で言った。
と同時にヘリに重力がかかって、下に向かい落ちていく。そして、ヘリは地面に落ちて爆発した。
――これが何でも屋 LUCKY=JOKERの名が裏の世界に轟いた瞬間の話である。
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