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自己紹介も終わり、依頼内容を訊く為、瞬が彩に話しかける。
「で? 今回の依頼は?」
「その手紙に書いてあるはずです」
渡された手紙を瞬は流し目でさらりと見る。
「ふーん、護衛依頼か……」
しばらくして、手紙を読み終えた瞬が今一度、手紙を見て、呟く。
「はい! 私、昔から何者かに狙われてまして……それでお父さんがここに行けって」
言いながら彩は悲しそうな顔をし、俯いた。
「大丈夫! 僕らに任せとけば安全だよ! ね? 瞬兄?」
そんな俯いてしまった彩を励ますように明るく笑いかけ、和斗が瞬にそう声をかける。
「……おう! 俺らLUCKY=JOKERに任しときな!」
和斗に合わせ、瞬も明るい口調で笑いながら答えた。
「そうですか……それでは護衛、よろしくお願いします」
どことなく嬉しそうにそう言うと彩はスキップまじりで店を出た。
「なっ!? ちょっ、お前待てって!」
まさか自ら――しかも、いきなり店を出るとは思っていなかった瞬は慌てて、彩の後を追う。
「二人共、早いなあ。じゃあ、トールさん、行ってきます!」
店のカウンターでコーヒーを作っているトールに手を振り、和斗も急いで、二人の後を追った。
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