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南方の国「セントハーディン公国」
今、西方からの軍事的侵略を受けている。
この国は、
宗教大国であり、
軍事力も保有している。
それを脅威と感じていたミルガルド帝国は先手を打って出た。
セントハーディン公国は直ちに迎撃にでた。
今日、公国の主力部隊である
聖騎士 セフィラム
が率いる第一師団が戦地に向かう日であった。
「セフィラム様が出陣されるぞー!!」
「聖騎士様万歳~!」
民衆たちは歓喜し、
師団の出発を見送ろうと
老若男女問わず集まっていた。
その中には、
この戦いで親を亡くした
戦争孤児も多くいた。
セフィラムは、
突然、馬を止め降りた。
「団長、どうかなされましたか?」
部下の質問に、
「…」
無言で答えると、
一人の少年へ近寄った。
その少年は、
歳は6歳くらいで、
ボロボロの服であった。
「君、ご両親は?」
セフィラムは
唐突に質問をなげた。
「二人とも死んだ」
冷淡に語った。
「父さんも母さんも戦争で」
少年の目には、
怒りや憎しみ、
悲しみや嘆きなどの感情はなく、
冷たい目をしていた。
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