最もふざけたやつら

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家に帰ると、 先に山から戻ってきていた おじいさんはビックリ仰天。 爺「珍しいね、   そんなデカイ桃」 婆「これ一個で   何個桃カステラ   作れるんでしょうかね?」 爺「…桃カステラに   桃は入ってないって   知ってた?おばあさん」 婆「おや、そうなんですか」 おばあさんは、 包丁を取り出して、 「さぁさ、二人で食べましょ」と言い、 桃に包丁を刺しました。 婆「え~。   この珍しい桃に   包丁を入れなければ   いけないんですか?」 爺「上手く利用すれば   見物料とれるかも   しれないのにね?」 婆「勿体無いですが…はぁ…。   いきますよ」 すると、 包丁が深く刺さるより早く、 桃がぱっかり割れ、 中から元気な男の子が 産まれました。 子「…っウギャアッ、ウギャアッ」 婆「・・・えっと、   どこの迷子ですかねぇ?   おじいさん」 爺「迷子?   僕にはどう見ても、   桃から産まれたみたく   見えたんだけど」 婆「やっぱりそうですか…」 子「ウギャアッウギャアッワギャアッ」 婆「とりあえず…   よしよし、   大丈夫ですよ~」 子「ウギャアッ、ゥ……」 爺「寝るの、早いねこの子は」 婆「将来大物になりますね、   多分」 おじいさんとおばあさんは、 その子を『桃太郎』と名付け、 大事に育てました。 婆「捨てるのは可哀想ですから   ここで育てましょう   おじいさん」 爺「う~ん……別に、   家事するのは   おばあさんだし?   僕がイヤって言っても   無駄でしょ、アンタには」 婆「おじいさんには   何でもお見通しですね。   じゃあ名前は桃太郎で」 爺「……将来グレても   僕は一切、   関係無いから」 婆「えぇ?   おかしいですかね、   この名前」 爺「いんや、   ただ僕がそんな   名前だったらグレるね」 婆「貴方は普通の人じゃ   無いですから   大丈夫でしょう。   桃太郎、お布団で   寝ましょうね」 爺「・・・桃どーするの   おばあさん、   変な液まみれだけど」 婆「勿論食べましょう、   洗えば大丈夫でしょう?」 爺「・・・・・プッ」 婆「はい?」 爺「ホント、何も変わらないね   アンタ」 婆「うーん…   それって褒められてるん   でしょうか?」 爺「教えないっ♪」
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