魔女とリセット

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「………」 「わかっています」  彼女は静かにそう言って受話器を無音で置いた。きつく結ばれた口元には、どこか悲観的で、しかし固い決意がみてとれる。 「うん。わかってる」  電話は既に切られている。誰に言うでもなく、静かに口から言葉が漏れた。  窓を開けていないにも関わらず、部屋の中はひんやりとした空気が漂っている。  冬は、もうすぐそこだ。
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