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朝6時。
今日から高校生。ユナは既に起きて支度をしているはずだった。
新しい制服、靴、鞄を見ながら何やら奮えている。
「つ…ついに高校生かぁ~あは~」
ユナの周りで空想的シャボン玉がふわふわ飛び交い弾けていく。
無駄に2時間ほど自分の世界へ入り、還ったユナは制服の袖に腕を通す。
ユナは一人暮らしをしている。閑静な住宅街にはマンションが立ち並んでいる。ユナもそんなマンションの住人だ。部屋には等身大の鏡と白いクローゼット、モノクロの長テーブル、etcがある。
ちなみに余談であるがユナの背はかなり低く、高校生活が始まるまでの間は自分に合う制服を探すのに苦労を強いられていた。結局合う制服は見つからず、上から下まで全て特注だ。合う制服が無くて店を出た時には、神様はなんて不公平なのよ…と8割の確率で愚痴を言っていた。
制服を着たユナは時計を見る。
「8時かぁ…」
「……」
「8時…8時!?ちょっ…遅刻じゃないの!まず~!」
バタバタと支度を終えて家を出て階段を駆け降りる。
焦りで階段を一段飛ばししていたせいなのか。それともドジっ娘のスキルでもあるのか、コケた。ベタすぎるほど華麗に。
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