いつもの憂鬱

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 シラケた席に自分の発言の責任を感じ、魔王はスプーンを置いた。 「四方の城に300体づつとしても、魔界への入り口はいくつあいてるってんだ?」  取り繕う魔王の言葉にボストが立ち上がった。 「東には四つ確認しています」 「西の領域には六つ確認しています」  続いたのはダストであった。 「南には八つ確認しています」  ガストが静かに言った。 「魔王城上空には二つ、北には五つ、確認しています」  魔王はゼストの言葉に目を伏せた。 「それって……」  暫しの沈黙の後、魔王は、眉を例の如く八の字にし言った。 「魔界の上空もう蜂の巣なんじゃないの」
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