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そう、いつもの通りだったんだ…
あの店を見つけるまでは…
「ふんふーんふーん♪」
いつもの通り、鼻歌を歌いながら帰り道を歩いてると…
「あんれぇ?」
いつもは古い駄菓子屋があるところに骨董屋?があった。
「おばーちゃん店やめちゃったのかなぁ?
…いやいや、昨日まで普通に駄菓子屋あったって!
いきなりはおかしいでしょ…!」
悶々と頭の中で思考をぐるぐる巡らせる。
「お嬢さん」
「はぅわっ!!…ど、どちら様…?」
「この骨董屋の主人ですよ。
お嬢さん、ちょっと中を見て行かないかい?」
「…えと」
にっこり笑ってくる優しそうなおじいちゃん。
「じゃあ…ちょっとだけ…」
なんでこの時断らなかったんだろう。
断ったら、"いつも"は崩れなかったかもしれない。
いや、断ったとしても"普通"は崩れたのかもしれない。
考えるのは止そう…
今になっては確かめようのないことだから。
「わぁ…」
入ってみると、骨董屋ってよりはアンティークショップみたいな感じだった。
「こういう雰囲気は好きかね?」
「はい。寧ろ大好きです!」
ちょっと錆れた銅の色が素敵なオルゴール。
年代物の木の風味がまた素敵な箪笥。
「…あれ」
そんな主に茶色が多い店の奥の方に白っぽいのがあるのを目で捉えた。
近寄ってみるとそこには…
「…わぁ」
真っ白い兎の置物。
これだけ、新品みたいだ。
「おや、それが気に入ったのかね?」
カウンターだと思われる所からおじいちゃんが言った。
「うーん…。
なんていうか…引き寄せられたっていうか…」
「ほぅ」
「なんだろう、この感じ…」
何かが起こりそうな…
なんてね☆
そんな事ある訳ないってね!
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