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“高慢ちき女”の文句話に花が咲いているところへ、捜査一課長が美冬を連れて加世田たちがいる部屋の真ん中あたりに立った。 「本日付で13係~15係を担当することになった長月管理官だ。長月くん、一言。」 「長月です。皆さんが捜査にあたりやすいよう、尽力いたします。よろしくおねがいします。」 目の前の刑事たちも一応・・・といった感じで会釈する。加世田も適当に会釈をしたが、不満そうに横を向いていた。 そんな姿を美冬はじっと見つめる。 「・・・先輩、こっちみてますよ。」 安藤が小声で加世田に言う。加世田は姿勢を直し前を見た。しかし視線は美冬からそらしていた。 紹介もそこそこに、現在扱っている事件の捜査会議のため会議室へ移動する。 「先輩~いいんですか~?あんな態度取って。」 「しるか!」 「ボーナスの査定に響くかもしれんぞ。」 片瀬が脅かすように言った。 すると加世田は急に怯えるように片瀬の顔を見ながら 「まずかったかな~・・・」 「お前が言ったんだろ!それこそしるか!」 加世田はさっきとは違い、打って変わって肩を少し落としとぼとぼと歩いた。急に弱気になった先輩の姿に安藤は加世田に気付かれないようクスッと笑った。 その時、加世田たちを2人の刑事が追い越し、会議室に入ろうとした。 2人に気付いた加世田は再びいつもの威勢を取り戻し、 「何でお前らがここにいるんだよ」 「仕事だ。わりぃか?」 言い返した刑事も加世田に負けず威勢がいい。 「この事件は、5年前の事件と同一犯の可能性が強まったため、我々も会議に出席するんです。」 もう一人の刑事は見た目も言葉遣いも紳士的だ。 この2人は未解決事件の捜査を専門に担当している特別捜査第2係の刑事で、加世田と睨みあっているのは井上智史巡査部長、もう一人は一条孝夫警部である。 「いいか、俺たちの邪魔は絶対するんじゃねぇぞ!」 「何が邪魔だ!お前たちに協力してやってんだ!感謝しろ!」 会議室に入ってからも加世田と井上は威嚇し合っている。 そのうち会議開始の時間になり、美冬や刑事部長たちが会議室に現れた。 「井上くん、始まりますよ。」 一条は淡々とした口調でたしなめた。 着席してからも加世田と井上は、声は出さずに 「バーカ」 と言い合っていた。
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