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「待って……!」
玄関を出た所で後ろから千代さんの声がした
「私も行く……散歩したいから。」
一緒に行くという……それにはちょっと驚いたが断る理由も無いので二人で歩く。
「星が綺麗ね……ねぇ見て。」
千代さんが冬の夜空に向かって手を伸ばす
その時、上を見ていた千代さんの頬に涙が一筋流れた。
「千代……さん?」
「あっ……ごめん、何でもないから……行こうか。」
俺は千代さんに左手を引かれて歩き出す
前をグイグイ歩く千代さんは時々鼻を啜っている
顔は見えないが泣いているのかもしれなかった。
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