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千代さんが一緒に来ていたから万梨阿はとても驚いていた。
「お肉ありがとうございます。ケンジ、後でメールするね。」
俺と千代さんは来た道を戻る
千代さんは何かの鼻歌を歌いながら少し前を歩いていた
その様子を見ながらふと今日千代さんは呑んでいないのだと気が付いた。
「そういえばお酒飲まなかったんですね。」
「……そうね。たぶんお父さんに会ったからよ。」
千代さんは再び鼻歌を歌い始める。
もしかしていつもは自宅に帰れなくて寂しいから呑んでいたのだろうか?
「帰ったら呑みますか?」
「う~ん……やめとくわ。今日はそういう気分じゃないし……ケンジ君が一緒に飲めるなら付き合うけどね。」
そのまま俺達は再び歩き続ける……と、不意に千代さんが振り返り俺の手を掴んだ。
「走ろう!」
突然駆け出す千代さんに手を引かれて俺も走る
(どうしたんだろいきなり……?)
俺の手を引きながら少し前を走る千代さんは時折鼻を啜っている。
その行動の意味が全く解らないまま俺は手を引かれるままただ走った。
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