星の願い

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「はぁ、はぁ……疲れちゃったね。久しぶりに本気で走ったから……」 うちの玄関前、突然走り出した千代さんは止まらずに二人で五百メートルは走った。 「俺は部活で鍛えてますけど大丈夫ですか?」 立ち止まり喘ぐ千代さんを少し歩かせる。 真冬の夜の冷たい大気、夕食後間もなく全力疾走して急に立ち止まると心臓にかなりの負担がかかるから歩かせて血液を循環させなければならない。 「ありがとう……大丈夫だから」 と、千代さんは言っているが俺の判断の方が正しい。 俺は千代さんの腰を抱えるようにして呼吸が落ち着くまでしばらく歩かせた。
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