星の願い

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「ただいまぁ~」 「おかえりなさい、千代姉どうしたの?汗かいて……」 「ちょっと走ったの、正月食べ過ぎたからダイエットにね。あぁ~お風呂に入りたい!」 「じゃあ一緒に入る?真燐さんも一緒だけど。」 「入る入る!お風呂で小夜子ちゃんの正月のお肉を揉み落としてあげる~!」 「……確かに太っちゃったなぁ。お正月は怖いよね。あっ、お兄ちゃんは入ったら駄目だからね。じゃあ行こう千代姉。」 二人は楽しそうに話しながら浴室へ……俺は順番待ちの為に居間でテレビを見る。 (結局走ったのはダイエット?それだけであんな……でも千代さんなら有り得るのか……?) 普段から天然ボケで行動が読めない千代さん……今回のダッシュや涙の意味も俺にはさっぱり解らない…… 千代さんについて考えていたら携帯が鳴った。画面を開くと万梨阿からだ。 万梨阿からのメール。万梨阿の家族は俺が届けた肉を大変に喜んでいるらしい。それと今日いきなりいなくなった事について聞かれた。俺は突然外で食いたくなったなどと曖昧に誤魔化す。万梨阿は怒って無いみたいだったが明日のお昼は一緒に食べる約束をさせられた。 俺は携帯を閉じる (はぁ……………) これで良いと……万梨阿を大事にしようと自分で選んだ選択肢のはずなのに…… 鎖に繋がれた犬……時々そんな気分になってしまうのは何故なのだろうか? この先、万梨阿以外の女の子とお弁当を食べる機会はあるのだろうか? 三年までずっと一緒にお弁当を食べて……大学に行くか結婚して…… ふと見えた将来設計 誰もが望むであろう幸せそうな未来 (これでいいのかな……) 未来は流れにまかせて…… 俺は考えるのを止めた。
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