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「どうしたの?食欲無いの?」
桜先生がほとんど弁当を食わない俺を心配している……一緒に昼食を食べる事になったのだが目の前に緑がいると気になってしまって飯どころではない。
「はぁ……色々と悩みがありまして……」
「そう……それなら先生に相談して。ケンジ君授業中もボ~として……心配してたの。」
「う~ん、といっても人間関係というか……複雑な問題で……」
緑が目の前にいるのに相談出来るはずもない。
桜先生には解決出来なかったらまた相談すると言って心配させないように俺は残りの弁当を掻き込むように食う。
「グフッ……くっ……苦し……」
あまりに勢い良く掻き込んだ為に飯が喉に詰まった。
「大丈夫……?」
緑が差し出してくれるお茶を流し込みなんとか危機脱出。
「ありがとう……助かった。」
お茶のコップを返す時に少し指先が触れた………そのまましばらく見つめ合う緑と俺。
「どうしたの二人共?」
桜先生の声で我にかえる。
「いや……何でも無いです。」
緑を見ると俺を見てにこやかに笑っている
(君は……俺の事をどう思っているんだ?)
緑の笑顔は優しくて慈愛に満ちるようで……
あの日以来ほとんど連絡を取り合っていないので俺は彼女の気持ちがさっぱり解らなかった。
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