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「ラン、ランララランランラン♪」
俺はナウシカなノリで通学路を歩く。
隣を歩く奴は瑠輝。幼稚園年少さんからの仲で、俗にいう親友とかいう仕事をしていらっしゃる。
「親友は仕事じゃない、ボランティアだ」
「あらそうですか奥様」
「旦那様と呼べ」
いつのまにかに心を読まれることもよくある。
「夕方だな!」
「だからどうした?」
「なんかこう……燃えるように赤くて熱いよな!」
「まぁ、実際に燃えてるしな」
何の事情も知らない人が聞いたら普通(?)な会話だが。
俺達の目の前には炎をあげて燃えているマンションっぽい建物……というかマンションがあった。
「なんで俺達、こんなに呑気なんだ?」
俺は親友に聞いた。
「既に消化活動が始まってるからじゃないのか?」
「おぉ、そうか!……帰りましょう……」
「だな」
野次馬根性のない俺達。
「待って!まだマー君が中に……!」
聞き捨てならんぞ……。
入り口は脆く、今にも崩れそうだ。
「何階の何号室だ?」
出た、瑠輝のスーパーお兄さんモード!
月に6回出るか出ないかの貴重(?)な瑠輝の一面!!
「4階の……416号室……です」
「……行くぞっ!」
「おう!」
誰よりも早く行動を起こす瑠輝、なんやかんやで着いていく俺。
最高のコンビだと自負していた。
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