バスジャック編

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店を出た二人はぷらぷらと街中を歩く   周りにも同じような人がたくさんいる   「ねぇ、そろそろお腹空かない?」 「……お昼ご飯…」     「じゃーさ!そこに美味しいパスタが…」   「……中華」   そして二人は再び対峙する 「パスタっ!」   「…中華」     「じゃーんけーん…」 「じゃーんけーん…」   「ぽんっっっ!」 「……ぽん」     悠の希望が握り締められた拳は、玲の差し伸べられたかのような手の平に屈服するしかなかった           「……辛っ…」 「だから言ったじゃん!お姉ちゃん辛いのダメなのに、こんな本格中華の店で麻婆豆腐なんて頼んだら大変だよって!」 玲は涙目で、悠を見つめる 「食べればいいんでしょ!私も苦手なのに…」   「…ほふほふ…あひはひょう…」   「あー!それ私の豚まんじゃないのよ!勝手に食べないでよ!」 「…ほふほふ…悠には…麻婆豆腐が…あるじゃない…」   こうなると何を言っても適わないことを悠は知っている 水を何杯も飲みながら、文字通り、泣く泣く麻婆豆腐を完食した     「さて……そろそろ…帰りましょう…?」 「結局、今日私が行きたかったとこ一つも行けなかった…」 じゃんけんによる行動決定権 悠の本日の成績は0勝5敗と惨敗だった
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