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男も困惑している様子だった
「…早くしないと…怪しまれる…」
「いいか?余計なことしたら殺すからな?」
男は銃口で玲に出ろと合図を出す
「……もしもし…違うの…私の話聞いて…うん…うん…うん…大丈夫…あー…んー…えーと…悠もいるよ…うん…うん…うん…二人………じゃあね」
玲は電話を切り、男に渡した
「もうかかってこないだろうな?」
「…うん…納得した…」
男はやや不服そうに後ろの席へと動いていった
やがて回収を終えた男は運転中の相方のもとへと向かっていき、何やら話し合いを始めた
運転手にも何か聞いているようだった
「お姉ちゃん…?」
悠が小声で話し掛けてきた
「…なに?」
「よくこんな状況で嘘つけるわね。お父さん、ただの平社員じゃないの。それにあの番号は…」
「…私は…ただ早く…ゲームが…したいの…」
「呆れた…じゃあ何?あの電話で全て解決?」
「…あれは保険…本番は…今から…」
「いやいやいや…おとなしくしてようよ」
「…大丈夫よ…あいつの銃…偽物だし…」
「へ?」
「…近くで見れば…分かる…だから安心し…」
「コラー!!!」
突然、悠が立ち上がり、大声をあげた
これにはさすがに覆面の男たちも驚いた
が、すぐに冷静になり、悠に問い掛ける
「何をしている?さっさと座れ」
悠は堂々とした様子で、玲の前を通り、通路の真ん中へと移動した
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