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一時話しを中断し、それぞれは用意された席についた。
そして女性はすぐさま会話を再開させた。
「まさか咲が自分からスカウトするなんてお母さん信じられないわ~!」
「お、お母さん!?」
お母さんという単語に大袈裟なくらい反応してしまう。
「あら、そうよ? 咲、まだ私のこと話してないの?」
「ん、あぁ」
いかにもめんどくさい、という感じで顔をしかめてみせる咲。
「この人は俺の母さんで、理恵子」
以上!と言わんばかりに満面の笑みでしめる。
(えっ、それだけ……!?)
「あら、ちょっとお母さんの説明が短すぎない?」
「いや……母さんが長すぎなんだって……なぁ?」
と隣の席の翔汰君に同意の視線を向ける。
「確かに……長いですね」
理恵子さんの前だからか、翔汰君は少し緊張した面持ちで敬語を使っている。
「ふぅん……そうかしら?」
分からない、と顔に出ている理恵子さんは、頬に手をあてて首を傾げた。
それからちょっとした自己紹介を交えていると、メイドが料理の用意が出来ましたと言いに来て、私たちは食事にすることに。
運ばれてくる料理はどれも高そうでとっても美味しそうだったけど……
「な、なんか……私、本当にいいのかな……」
そのあまりにも豪勢な料理に戸惑ってしまう。
チラリと横目で翔汰君を見る。
(翔汰君は普通に食べてるけど……。 っていうか……慣れてる!? もしかして翔汰君って……)
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