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―コンコン…
「起きろ、アイリス。
まだ、寝ているのか?」
ドアをノックしても、起きる気配なし。
「入るぞ」
―ガチャ
アルフォードが部屋へ入ると布団に丸まった膨らみがあった。
近より、バッと布団を取るとアイリスがうずくまって寝ていた。
目元には泣いたあとが残っている。
「泣いて…いたのか?」
涙のあとをなぞるように触れた。
「…んっ…」
アイリスが目を覚ました。
「おはよう、良い夢は見れたか?」
「…ッ!?…魔王アルフォード」
アイリスは飛び起きた。
「魔王っ!」
攻撃魔法を発動させる。
「‘反抗禁止だ’」
力の込めた命令にフッと魔法が消える。
「…あ…」
アイリスはその場へへたり込む。
「お前は我の奴隷だぞ?
我に素直に従った方が身のためだ」
ポンポンと頭を叩き
「もうすぐ朝食をメイドが運んでくる」
そう言って、部屋から出ていった。
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