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  「…クッ……うぅ…」 アイリスはベットの上で足を抱えて座っていた。 下唇を噛み、必死に泣いてしまうのをこらえる。 「泣かない…泣いちゃ…ダメなんだ…自分は勇者…なんだから…負けちゃ…ダメ…なんだ…」 でも、ポロポロと涙は流れてしまう。 額を膝につけて顔を隠した。 ―コンコン 「アイリス様、朝食をご用意致しました。」 「…」 アイリスは応えない。 ―コンコン 「アイリス様?いないんですか?」 ―ガチャ メイドが入ってきた。 アイリスはチラッとメイドを見て、また顔を隠した。 「いるんじゃないですか…」 「貴女…小悪魔?」 「そうですよ?」 メイドは黒い二本の触角?と尻尾を生やし、ゴシック系のメイド服を着ていた。  
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