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  「魔王ではない。 我のことは名前で呼べ、アイリス。もしくは親しみを込めて‘アル’でもいいぞ?」 「誰が呼ぶもんですか」 「ククッ、残念だな」 アルフォードはクツクツ笑いながら近づき、 ―コトッ ベットの横にある小さな台へお皿を置いた。 「シチューを持ってきてやったぞ。食え」 「嫌よ」 命令をきっぱり断る。 「クックックッ、ならば致し方無いな」 アルフォードは実に楽しそうに笑い、ヒョイッとアイリス上にまたがり、彼女を押し倒した。 「な、何すんのよ!」 バタバタとするが、体が弱っていて弱々しい。 「前みたいに抵抗しないのか? 出来ないのだろう? 自業自得だな」 フッと鼻で笑う。 「…っ」 アイリスは図星をつかれ、唇を噛み、目をそらせた。  
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