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「…な!美菜!」
気がつくと私は病院のベッドの上だった。ベッドの横にはお母さんや村の人がいた。
「おかあ…さん?」
「あんたはもう心配かけて!村中の人が探してくれたのよ!」
どうやら病室を飛び出してから戻らない私を、みんなが心配してくれたみたい。
「ごめんなさい…」
「もう!大翔くんがね、井戸の前で倒れている美菜を見つけてくれたのよ」
「え…っ!?」
私は思わず起き上がった。そして病室を見回す。
「大翔…!?」
大翔はお母さんの後ろにいた。
「大翔くん、もうダメかと思ったのに、奇跡的に息を吹き返したのよ!まだ安静にしてなきゃいけなかったのに、無理して美菜を探しに行ってくれたのよ」
お母さんは嬉しそうにそう言っていた。
(そっか…!大翔、生き返ったんだ…)
「大翔…ごめんね、よかったっ…」
私はうれし涙を流しながら言った。
「美菜…」
大翔は優しく私の頭を撫でてくれた。
嬉しくてたまらなくて。もう止まらない。
「大翔…、私ね、大翔のこと好きなの…!」
もう抑えられなくて、私は告白した。
「オレも…」
大翔はぎゅっと私を抱き寄せる。
「美菜のこと好きだ。ずっと一緒にいような。」
ニッコリと笑いながら、大翔はそう言ってくれた。
(大翔…大翔も好きでいてくれたんだね。ありがとう…嬉しい!)
「うん!!」
明日も、明後日も、これからもずーっと大翔と一緒にいたい。
そしてそれから大翔といろんなとこに出掛けた。
いろんな話もした。
もうすぐ行われる夏祭りに一緒に行く約束もした。
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