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数日後―…
お母さんが、お惣菜を作ったから大翔くんの家にも持って行ってあげて、と言ったので、私は大翔の家に向かっていた。
「おじゃましまーすっ」
玄関先から声をあげてみた。
バタバタ…
奥から足音がして、出てきてくれたのは大翔のおばあさんだった。
「あらぁ、美菜ちゃんいらっしゃい!」
「こんにちは!お惣菜持ってきたんで、よかったら召し上がってください!」
私はお惣菜の入った袋をおばあさんに差し出した。
「あら、ありがとう。今ね、大翔は出かけててまだ帰ってないのだけど、よかったらあがってって。」
「あ、はいっ!」
私はありがたくおばあさんの好意に甘えることにした。大翔の家族は未来の私の家族だしね…って、何考えてんの私!
私は一人でツッコミを入れていた。
居間に上がると、おばあさんはお茶を出してくれた。
「大翔も美菜ちゃんも元気になってくれて、ほんとによかったわ。」
おばあさんが安心した笑顔で言ってくれた。
「はいっ!ありがとうございます。」
嬉しくて私はそう答えた。けれど次の瞬間、おばあさんの顔が少し曇った。
「けど、どうしてあの日美菜ちゃんはあの井戸に行ったんだい?」
ギクッと私は内心ビビってしまった。やっぱり生き返らせたなんて言えない。
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