どうか最後の日だけは…

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夏祭り当日。 私は大翔との待ち合わせ場所で大翔を待っていた。 (今日で大翔が生き返って一週間…) 怖くてたまらなかった。 「美菜!ごめん待たせてっ」 そんなことを私が考えていると、大翔は走って来てくれた。 「大翔…」 私は大翔の顔をじっと見つめた。 「ん?」 (もし今日が最後なら…せめて、せめて最高の1日にしよう。後悔しないように…) 「今日は思いっきり楽しもうねっ!」 私は精一杯の笑顔で言った。 「ああ!もちろん!」 大翔も笑顔で返してくれた。 それから私達はたくさん楽しんだ。金魚すくい、輪投げ、ダーツ、花火…。 花火は特に綺麗に感じた。 花火を見ている大翔の横顔がとても凛々しかった。けれどそれを見れるのはこれが最後… 楽しい時はあっという間で。すぐに帰る時間になってしまった。 けれど…やらなければならない。 「大翔、帰る前に一緒に来てほしい所があるの。」 私がそう言って歩き出すと、大翔は黙ってついてきてくれた。
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