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それは何処までも延々と続く蒼い空。田中市助(たなか・いちすけ)という青年がいた。
彼は国の為に何かしらの貢献をしたいと願う、十八歳。市助が彼女と出会ったのは淡い春の日の事。
何時ものように賑わいを見せる街中。本を片手に考え事をしていた市助はとある女とぶつかり我に返った。
本は音を立てて地面へと落ちる。しかし市助はそれよりもぶつかった女の方が気になっていた。
「大丈夫ですか」
女はその言葉にうなずき、市助が落とした本を拾おうとする。
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