新たな旅立ち

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新たな旅立ち

ママがいなくなって2日目、タケシくんとパパは住んでいたお家を引越しました。パパは「ママのことを思い出しちゃうから…」と言っていました。でもタケシくんはこのお家から離れるのが嫌でした、ママと笑って泣いてときどきケンカして過ごした、その大切な想い出の宝物が詰まったこのお家を……でもパパはその全てを忘れようとしていました。タケシくんにはそれがわかっていたのです。だからこの想い出のお家を離れたくなかったのでした。荷物をまとめ、車に乗り小さな小さなアパートにつきました。ママとの想い出もないアパートに…それから3ヶ月、パパは新しい仕事に追われてパパの頭の中にはもうママはいませんでした…。それどころかタケシくんのことも頭に入らない状態でした。明日からタケシくんは新しい幼稚園に行くことになっていました。次の日タケシくんは期待に胸おどらせながら、新しい幼稚園にむかいました。ドキドキしながらの自己紹介なんとか上手くいきました。しかし、お弁当の時間タケシくんのお弁当がありません。タケシくんはすぐ気付きました「パパ疲れているから、作れなかったんだ」と自分に言い聞かせるように思いつづけました。でもそんなことが3日も続きました、みかねた先生はタケシくんのお弁当を作って来てくれました。しかし、みんなからは変わり者の目で見られ、タケシくんが通るとクスクス笑ったり、靴がを隠されたり、仲間外れにされたり、しかし、タケシくんは誰も責めませんでした。誰一人として…
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