自分の気持ち

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結智君は僕の母響哉妃央の妹一橋志織(旧姓氷城・ひょうじょう)の一人息子そしてあの世界有数の一橋ホールディングの次期社長となる人だ。 たまたま僕の父響哉涼太郎と結智君の父一橋大智その二人は旧知の仲であったため昔からよく遊んでいた。 両親たちも仲が良く僕達も兄弟のように育ってきた。 僕が6才だった時結智君は12才だった。 僕は一橋結智に憧れていた。全てにおいてパーフェクトな彼に。 玖雨「ねぇ結智君?」 結智「なぁに?」 玖雨「僕も結智が小さい時に言った学校行きたい!たくさん勉強したい!」 結智「う~ん……じゃあ約束をしよう。僕は今瀬貴黎学園大学附属中学校って言う所に居る。三年たったら一つ上の高校に行く。僕の通って居る学校は日本で一番頭がいい。瀬貴黎学園で中高一番の成績だったら同じ所で勉強しておいで。いいね?」 玖雨「うん!僕頑張る!病気なんかには負けないよ!」 結智「玖雨は強いなぁ~!」 それから12年たって結智君がわざわざ忙しかったのにも関わらず来てくれた。 結智「玖雨!」 玖雨「結智君!久しぶり!会いたかったよ!」 結智「僕の方こそ!あの時の約束を果たしに来た。」 僕は凄く緊張していた。いきなりきたからとかそれに声のトーンが低かったし断るのかとか色々考えていた。 結智「玖雨……良く……良く頑張ったな…勉強しておいで…存分に………玖雨にはその素質がある……絶対病気に負けるなよ……小さい頃から英才教育を受けてきた僕にはあの頃友達が少なかった。今では数えきれないほど居るけど友達の作り方や兄弟の居る有り難さを教わったのは玖雨からだよ。ありがとう。」 結智君は泣いて居る俺を優しく抱きしめてそう言ってくれた。 これが初めて憧れの一橋結智に認めて貰えた瞬間だった。 今でも鮮明に覚えてる。
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