第2章

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   黒木は、先程まで暴行を受けていた名前も知らない女子生徒の惨状を見まいと、走った。  保健室に辿り着き、黒木は叫んだ。 「先生! この人が!」  黒木は運んできた女子生徒を治療台に乗せる。 「ちょっと……、この子、どうしたの?」  彼女はそう訊きながら冷静に治療を始めていた。黒木は感心しつつ、応えた。 「それは、学校側が調べなければならないことですよ……」  黒木はそう言い残すと、そそくさとその場を後にした。これ以上、面倒事に巻き込まれるのは嫌だった。
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