9136人が本棚に入れています
本棚に追加
/480ページ
「じゃあ、君。頭貸して。とりあえず堕としてあげるからさ」
鬼心がそう笑顔で言った直後、カヒは急落下した。
それを見た鬼心は、足場を取り除いて、重力に従うがままに落下し、地上に降り立った。
「あれぇ?なんか不細工になったね。でも、意識はあるよね」
と、鬼心は顔の潰れたカヒを見ながら、笑顔で言った。
「あ゛……」
カヒは苦し紛れにそう声を発する。
「ははっ、痛いでしょ?痛いよね?痛すぎるよね?逃げようたって無駄だよ?君は瞬間移動者でしょ?瞬間移動者ってのは超能力の中でも脳負担がハンパないからね。こんな状況じゃ思考すらままならいでしょ」
と、鬼心はカヒの切断された腕の断面を、グリグリと足のつま先でいじりながら笑顔で言う。
「そんなわけで、君には俺からご褒美をあげよう」
鬼心はそう言うと、手に紅い液体を纏わせ、さらにそれを糸状に変化させ、その紅い糸をカヒの頭へと忍ばせた。
「あ、ちなみにご褒美は感覚機能特化。だけど感覚は感覚でも"痛覚"だけどね」
鬼心がそう言って笑うと、その直後、カヒの悲鳴絶叫が日光が照り付ける砂漠に響き渡った。
「ははっ、痛い?痛いよね、もちろん。顔が潰れて痛い?右腕が無くなって痛い?砂が持ってる熱が肌に伝わって痛い?直射日光が当たって痛い?痛すぎて痛すぎてどこが痛いかわからない?」
最初のコメントを投稿しよう!