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とある部屋――
そこには縦だけで五メートルもある巨大な画面が一つ、浮かんでいた。
そこに映し出されていたのは――老人。
黒いコートを羽織った、長い髭が生えた、威厳のある老人だった。
そして、その画面の前でひざまづく、長い金髪の女性がいた。
この女性も、黒い金の刺繍が入ったコートを羽織っていて、腰には黒い剣が差してあった。
『《№0Ⅰ》よ……』
画面の中の老人が、ひざまづく女性に向かって言った。
『お前に命ずる。"予言の巫女"を手に入れろ。《鴉》を駆使し、必ずしも、我ら《暁の支配者(エーオース)》の為に手中に収めるのだ』
「はい。必ずや、任務を遂行してみせます」
女性がそう言うと、巨大な画面はスッと消えた――
巨大な画面が消えると、女性は静かに立ち上がる。
「"予言の巫女"……確かいるのは日本でしたね。日本……なかなかに思い入れがある国ですね」
女性はそう言うと、後方に振り向き、歩き出した。
そして、ふと、女性は立ち止まる。
「そういえば、日本には"鬼心君"がいますね。任務ついでに成長を確かめてきますか」
女性はそう言って、再び歩き出した。
「フフフ……これで任務が楽しみになりましたね」
そう女性は微笑みながら呟くと、闇に溶けるように、消えた――
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