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四月――
卯月――
それは始まりの月。
「――私が言いたいことはただ一つ。己の夢、己の明日、己の野望、己の未来、己の為に生きろ。私からは以上だ」
そんなわけで、新生徒会長・双楼ヶ崎 夢美子(ソウロウガサキ ユメミコ)によって、始業式は締め括られた――
そして、始業式が終わると俺達は第三校舎の教室に向かった。
着いた。
早いっ!!
「また一緒やなぁ雅心」
またコイツと一緒だった。
波臥 雪渡……絶対誰も名字なんて覚えてなかったよな。
「また一緒です!雅心君っ!」
また一緒だった……珀奈とも。
だいたいさぁ、一学年五クラスあるんだから一人くらい別れても良くない?
「また一緒なのね……アンタと」
鳳月よ……お前とは絶対一緒のクラスで、必ず席が隣になるように仕組まれてんだよ!
まぁ他と違って嫌そうなリアクションはいいけども。
「いや~また一緒だねぇシン君。私達って密かに赤い糸で結ばれてるのかもねぇ」
多分その赤い糸は血の色が染まって出来たんだろうな。
しかし、琳堂とまた一緒のクラスだったのはいいことだ。
琳堂には《鴉》の情報を提供してもらってるからな。
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