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「っは、離れろーーッ!!」
「何故です?」
顔を真っ赤にしたまま俺の腕の中で暴れる神谷さん
「ここ、こういうことは、こっ恋人とかにやるもんだろッ!!」
「じゃ、俺の恋人になってください」
ピタッと神谷さんの動きが止まる
「神谷さん?」
「うっさい!!こっち見んなっ!離れろ!!」
あまりにも大きな声だったからビックリして腕の力を緩めてしまった
その間に神谷さんはいそいそと離れて部屋の隅から俺を睨んでくる
――あの…今の貴方がそれをやっても可愛いだけですよ……?
耳まで真っ赤にして、目を潤ませてソファーにあったクッションをぎゅっと抱きしめている神谷さん
「いきなり何を言い出すんだよっ!小野くん、ホント……」
だんだん声が掠れていく神谷さん
あれ?もしかして……
「泣くほど、嫌でしたか?」
神谷さんは泣かない。
いや、泣いたところを見たことがないだけ
そんな神谷さんが、顔を伏せて震えた声で言う
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